岩の戸、砕けぬ檻の安寧

無明を照らす灯火は消え失せた。焦がれた理の証明には欠如したる道を敷け、深遠へ、根の国に至る岩の戸がしるべなり。

境界を隔てる流れ
未知なる真実の炎
誘われるまま乞われるまま
肌になじむ懊悩
降りしきれスターチス
敬虔なるしもべ・凛然たる騎士
「汝、誰かの幸いたれ」
振り解けぬ羅刹の手

死者に語る口はなく、懇願を聞き届ける耳もない。埋もれ土塊となるだけのものに、かつての名残りが見えるはずもなかった。